ヒトの身体は不思議にも実に巧妙な自律神経の作用を受けているのだなと日頃の診療を通して感じています。ワクチンはどのように人間の身体に働くのかという興味深い文献がありましたのでご紹介します。
「インフルエンザワクチンは午前中の接種の方が午後よりも有効」
(菊池中央病院 中川 義久氏の文献より引用)
『今年は昨年までと異なり、ダブルの感染症のリスクに注意する必要が言われています。
これまで、インフルエンザワクチンを接種するときに各個人の受験などのイベントなどを考慮して何月頃にするかということはよくご相談を受けていましたが、一日のうち何時にするかということはなかったと思います。ところが最近、ワクチンの有名な医学雑誌にインフルエンザワクチンは午前中に接種したほうが抗体価は有意に上昇するという結果が報告されました。(詳細は省略)「午前中にワクチンを接種した被験者は午後にワクチンを接種した被験者と比べると抗体価が著しく高い」ことがわかったとのことです。
自律神経が活発な時間帯にワクチンを接種した方が抗体価が上昇しやすいことも実証されたようです。
インフルエンザワクチン以外では A 型肝炎ワクチンなどでも 同様な報告がなされていますが、その他の多くのワクチンについては不明です。
ワクチンはそう頻繁に接種するものではなく、かつ高価なものであるのでできるだけ効 果的に行いたいものです。』
補足ですが、抗体価が高くなるということはそれだけ長くワクチンの効果が続くということになるので、充分に検討に値することですね。
首里の杜耳鼻咽喉科 安田忍